デジタル遺品整理のポイント!デジタル終活とは何か知っていますか?
現代では、SNSやネットバンクなど、デジタルな情報が生活に欠かせないものとなっています。しかし、そんなデジタルデータも私たちの命が尽きた後に残される遺品の一つとなります。そこで、今回はデジタル遺品整理のポイントについてご紹介します。また、最近注目されているデジタル終活についても解説していきます。
目次
デジタル遺品整理とは?
デジタル遺品整理とは、亡くなった方のデジタルデータを整理することを指します。例えば、パソコンやスマートフォン内の写真や連絡先、メールやSNSのアカウント情報、解約しない限り続くサブスクリプションサービスやクラウド上のデータなどです。これらには、生前の思い出を語る大切なデータも含まれますが、遺族がそれらを整理することは容易ではありません。サービスごとのIDやパスワードが分からず、トラブルになることも多いです。そのようにならないためにも、事前にデジタル遺品を整理して不要なものは削除することや、エンディングノートに残しておく、『デジタル終活』を進めておくと安心ですね。
デジタル終活の必要性とは?
私たちが暮らす現代社会では、SNSやクラウド上に写真や動画を保存することが一般的になっており、総務省が行った「通信利用動向調査」では、YouTubeやインスタグラムなどのSNSを利用する割合は50代では8割、60代でも7割に達しています。また、電子マネーなどの普及もあり、幅広い世代で多くの方がモバイル端末の使用がかかせない生活になっています。このような背景から、現代では誰もがデジタル終活を行う必要性があるといえるでしょう。
デジタル終活のメリット
●金銭トラブルを防ぐことができる
近年ネットバンクやネット証券が増えており、どこの金融機関に口座があるのか家族が把握しにくい状況になっています。亡くなった後に株式や為替相場が大きく動いて、気づかぬうちに大きな損失を出してしまったというケースもあるので、自分の口座がどこにあるのか確認しておきましょう。
また、定期購入している商品や、アプリなど、月々の費用が発生するサービスを利用している人も増えている為、どんなサービスを利用しているのか、またサービスの利用停止の方法も確認しましょう。
●デジタル遺品の削除を依頼できる
デジタル終活をして自分のデジタルな情報を把握することにより、死後に処分して欲しいデジタル遺品を伝えることができます。残された人が判断しかねる遺品も多くあるので、ログインIDやパスワードなどと共に、エンディングノートに意思表示しておくといいでしょう。ただ、スマートフォンやパソコンを家族が見ることになりますので、見られたくないデジタル遺品がないか常日頃から整理整頓しておくことをおすすめします。
デジタル終活の手順とは?
①デジタル遺品を把握する
まずは、自分にどんなデジタル遺品となりえるものがあるのか、把握をしましょう。
●スマートフォン、タブレット、パソコンのデータ
画像、動画、メール、連絡先、仕事の資料、日記など
●インターネット上のデータ
・SNS、ブログなどのアカウント情報と投稿内容
・クラウドストレージ(iCloud Drive、Googleドライブなど)に保存されたデータとアカウント情報
・ウェブメール(Gmail、Yahoo!メールなど)のアカウント情報
●お金にかかわるデータ
・銀行、証券会社、暗号資産(仮想通貨)などのオンライン口座へのログイン情報
・ネット上の有料会員サイト(動画、音楽などの定額サービスなど)のアカウント情報
②「残すもの」・「処分するもの」に分ける
無理に処分することはありませんが、今後のことを考えて適度に仕分けましょう。見られたくないが、どうしても削除したくないものは、フォルダにまとめてパスワードでロックをかけておくと安心です。
見落としがちなのが、USBメモリやSDカード、CDやDVD、外付けHDDなどの記録メディア、古い携帯電話などです。そちらの方も、よく確認してください。
③情報を書き記す
残すと決めたものの情報をエンディングノートに書きましょう。例えば、ログインID・パスワード、使用しているサービス・アプリの名前とURL、アカウント名などです。オンライン口座やネット証券などの金融情報は、悪用を防ぐためにもノートに直接書かず、貸金庫にメモを保管するなどワンクッション入れるとさらに安心です。
また、近年ではSNSでの交流が盛んなため、SNSだけで繋がって仲の良かった方たちに向けて、亡くなったことを投稿して欲しいケースも出てきています。その場合は、投稿して欲しい旨も記載しておきましょう。
最期に・・・
スマートフォンが普及するにつれ、個人で所有しているデジタルデータも増え「デジタル終活」の必要性も増しています。一般的な終活でおこなわれる、資産管理や身の回りの整理などはもちろん、自身の死後のデジタルデータの管理についても考えてみてはいかがでしょうか?