身寄りがない場合の入院　身元保証について知っておくべきこと

身寄りのない人の入院とは、周囲に家族や親族がいない状態で病気やケガなどで入院することを指します。独身の一人暮らしの方や子供を持たない夫婦、子供が遠方で暮らしていたり、近くにいても疎遠だったりと現代では家族関係はいろんな形があります。そのように、入院時や高齢者施設入居時などに「身元保証人」を確保することが難しい場合は、身元保証を有償でお願いできるサービスもあるので検討してみましょう。

「身元保証人」と聞くと、就職や賃貸借契約の時に多く使われるイメージですが、今回は入院時の身元保証人について解説します。身元保証人とは、入院費用の支払いから退院・転院時の手続きまで、患者さんの代わりに行う人のことです。入院すると、どんな治療を行っていくのか説明を聞いたり、着替えの洗濯や必要なものの買い出しに行ったり、また容体が急に悪化することもあるかもしれません。そのような時、身元保証人がいることで、スムーズな治療や病院の運営が可能になるのです。

医療機関が身元保証人に求める役割として、主に以下のようなことが挙げられます。

① 緊急の連絡先に関すること

入院患者の容体急変・死亡時、病院内で問題行動を起こすなど、入院中は何が起こるか予測ができません。身寄りがなければ行政機関が緊急連絡先になってくれる場合もありますが、万が一の事態を想定して、病院は常に連絡がつく緊急連絡先を求めているのです。

 

② 入院計画書に関すること

医療法6条の4により、医療機関は入院中に行われる治療内容や退院までの計画 を、本人または家族に書面にて説明する義務があります。家族がいない場合は身元保証人に同席を求められます。

 

③ 入院中に必要な物品の準備に関すること

衣類や洗面用具、スリッパなど、入院時に必要な物の準備をすることです。病気やケガの状態にもよりますが、あらかじめ入院日が決まっているのであれば、自身での準備も可能でかもしれません。また院内の売店や、有償のレンタルサービスがある病院もあるので、上手に活用しましょう。

 

④ 入院費等に関すること

患者が入院・手術費用を払えない場合には、代わりに入院費用の支払いを求められます。

 

⑤ 退院支援に関すること

術後の状態が落ち着いたら、リハビリや療養は回復を専門としている別の病院へ移る、という流れが一般的ですが、身元保証人がいないと受け入れ先を探すのが困難なことが多いため、それを防ぐ役割があります。また、ひとりで生活が難しい場合は、退院と同時に施設へ入所となるケースもあります。

 

⑥ （死亡時の）遺体・遺品の引き取り・葬儀等に関すること

患者が亡くなった場合は、遺体を引き取り、葬儀の手配を行うことになります。

手術や検査などの医療行為に対して、身元引受人に「医療行為の同意 」を期待している場合があります。しかし、医療行為の同意については、本人の一 身専属性がきわめて強いものであり、「身元保証人・身元引受人等」の第三者 に同意の権限はないものと考えられます。厚生労働省による、【身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定 が困難な人への支援に関するガイドライン】の中には、『家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。』と記してあります。希望に添わない治療、死期を延ばすだけの延命措置は受けたくないという方は、医療の提供に当たり、「事前指示書」や「エンデ ィングノート」などを記入しておくことをおすすめします。

医師法第19条第1項に、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」とあり、身元保証人等がいないことだけを理由に、入院拒否してはならないとされていますが、スムーズな入退院の為にも身元保証人がいると安心ですね。

星月でも身元保証サービスを行っております。ぜひご相談ください。