飼い主の死後にペットを守る方法
近年、ペットは家族の一員として愛されるようになりました。しかし、飼い主が突然亡くなると、残されたペットたちはどうなるのでしょうか。彼らを守るためには、本記事では、飼い主の死後に大切なペットを守るための方法や準備について考えてみます。安心してペットを託せる未来を築くために、ぜひご一緒に学びましょう。
目次
ペットの終活
ペットの終活は、飼い主に万が一のことがあった場合に備え、ペットの今後の飼育先を決めたり必要な資金を残しておいたりすることです。また、ペットの病気や介護への備えるとともに、万が一の場合の飼い主の悲しみや焦りなどを軽減するための準備も一緒に行います。ペットと飼い主の両方が、安心して生活できる基盤を整える、これがペットのための終活です。
ペット信託という選択
ペット信託とは、飼い主の万が一に備える信託契約です。飼い主が死亡した場合や、病気などで飼うことが難しくなった場合、あらかじめ契約をした新たな飼い主(施設)によって飼育が継続され、飼育費用は事前に財産を委託された第三者が支払います。適切な飼育や費用の支払いが行われるように信託監督人も設定できるので、もしものことがあってもペットが安心して暮らすことができます。
ペット信託の流れ
①飼い主
②契約を交わす第三者・・・・信頼できる親族や友人
③万が一の時に飼育をお願いする人(施設)・・・②と同一人物になる場合もある
まず、『飼い主』と『第三者』の間で信託契約書を作成し、公証役場で公正証書にします。 それをもとに銀行で「信託契約専用の口座」を開設し、万が一の為の飼育費を入金します。 以後は『第三者』が口座を管理し、飼い主の万が一の時に口座から引き出し、新しい飼い主に支払います。
注意点として現状、口座の名義に「これは信託財産であるお金を管理する口座である」とわかるような表示をした【信託口口座】を開設するのは非常に時間がかかり、困難なことが多いです。 そのため、通常の普通口座を用意して、この口座で信託財産を管理すると信託契約に明記しておく方法が一般的になるかと思います。
準備するもの
まず、一番気になる費用ですが、1匹につき150万円前後が目安です。施設(老犬、老猫ホームなど)を飼育先に設定する場合は、その施設の規定に従います。平均で猫は約200万円、犬種により幅はありますが、犬は約300万程度となります。この他に、契約書作成にかかる費用などが発生します。
また、ノートなどに愛犬や愛猫の詳しい情報を整理しておくとよいでしょう。性格、病歴やアレルギーなどはもちろん、迎えた時のこと、名前の由来などなど、飼い主にとっては当たり前のことでも、託される人は知らないことばかり。今までの飼い主と離れて新しい環境になったペット達のストレスを和らげるためにも、新しい飼い主が愛情をもってスムーズに飼育開始できるように、細かく記入しましょう。
最後に・・・
孤独死が増えている現代では、発見が遅くなった飼い主の遺体とともに、ペットも衰弱した状態、亡くなった状態で見つかるなどの問題も発生しています。高齢者だけでなく若い方でも、実家や兄弟の家ではペットを引き取れない環境であったり、動物が苦手なので引き受けられないといったケースも考えられます。
大切な家族を迎え入れるときは、最期まで命を預かる責任を考えましょう。