エンディングノートの保管方法と注意点
エンディングノートは、人生の最期を考える上で大切なツールです。自分の思いや希望を記録することで、家族や友人に自分の意向を伝えることができます。しかし、適切に保管しないと、大切なメッセージが埋もれてしまい、家族が見つけられない可能性があります。本ブログでは、エンディングノートの効果的な保管方法や注意すべきポイントについて詳しく解説します。
目次
エンディングノートとは?最期を考えるための第一歩
エンディングノートとは、人生の最期の備えを支援するためのツールです。自分の思いや葬儀などの希望を、家族や友人に自分の意向を伝えることができます。また、預貯金などの財産情報やパスワードなど重要な情報を記すことで、万が一、病気や老化で判断力を失ったり、突然この世を去ったりした時でも、残された家族を困らせないようにすることができます。家族と自分をつなぐ大切なメッセージとして、エンディングノートは重要な役割を担っているのです。
大切な思いをどう守る?エンディングノートの保管方法
重要な情報がたくさん書いてあるエンディングノートは、どこに保管するべきなのでしょうか?「この場所がベストな保管場所です!」、とおすすめすることは盗難の点から考えても危険なので、一概におすすめすることはできませんが、ポイントとしては、
◉盗難に合わない場所
◉いざという時に見つかりやすい場所
この2つを満たす場所を、家の中で考えてみましょう。 相反する場所に感じられるので、難しいと思いますが例としては以下のような場所です。
・仏壇 ・本棚
・食器棚 ・ダイニングテーブルなどの引き出し
・金庫
盗難対策は必要ですが、それでも何十年誰も見ることがない、天井裏や床下のような場所に保管する必要はなく、自身が亡くなった後でも日常的に目にする場所に保管することが望ましいでしょう。
逆に、やめておいた方がいい場所としては、金融機関の貸金庫です。 紛失・盗難の可能性が限りなくゼロに近い貸金庫は、一見とてもいい場所のように思えます。しかし、いざ自身が意識不明や危篤になった時・亡くなった時に家族が開けようと思っても、本人以外が貸金庫を開けるためにはとても複雑な手続きが必要で、場合によっては開けるまでに1ヵ月以上も時間がかかることもあります。やっとエンディングノートを手にした時には葬儀も終わり、望んでいた葬儀形態や、友人へ連絡など、自身の希望が叶わない・・・なんてことにもなりかねません。
また、家の金庫に関しても、家族が開けれるような共有の金庫であればよいですが、自分だけが開けれる専用の金庫も、同じような理由でおすすめできません。
保管場所の共有
保管場所が決まったら、そのことを家族など信頼できる人にだけ伝えましょう。一般的には家族や親族などの血縁関係者、親しい友人などです。できればその時に、エンディングノートの存在だけでなく、延命治療の希望や余命の告知希望、お葬式やお墓のことについて、自身の考えを家族に相談しましょう。 あなたの突然の病気や死により混乱している中で、エンディングノートを読んですぐに納得することは、内容によっては難しいかもしれません。家族全員がその考えに同意できていないと実行されない可能性があるのです。あくまでも、実行するのは家族ということを忘れないようにしましょう。
エンディングノートの分散
エンディングノートを何冊かに分けて書き、情報の内容や重要度に適した場所に分散して保管するという方法もあります。
◉見て欲しい人によって分ける
・配偶者用・・・預貯金など財産情報、延命治療の希望、葬儀の希望など重要性が高い情報がメイン
・自身の兄弟姉妹や子供・・・それぞれへのメッセージ、形見分けしたいもの
このように見る相手を分けて書くことで、メッセージや借金など限られた人にしか見られたくない情報を管理することができます。
◉緊急時用と亡くなったあと用に分ける
・緊急時用・・・命治療の希望、危篤を伝えて欲しい相手の連絡先、葬儀の希望など
・亡くなったあと用・・・財産相続、携帯電話や運転免許証など解約・返却が必要なものの情報、
家族へのメッセージ、形見分けしたいものなど
分散させることで情報の緊急度・重要度に応じた場所に保管できるほか、見て欲しい相手やタイミングに分けることも可能になります。
最後に・・・
エンディングノートは、自分の思いや希望を家族に伝える重要な道具ですが、その保管方法には注意が必要です。定期的に見直しを行うことで、その都度変わった思いや希望を反映させつつ、最新の状況を家族に伝える手助けにもなります。悔いのない最期を迎えるため、エンディングノートの保管と見直しを怠らないようにしましょう。